「道後湯築城跡を守る県民の会」の歩み

道後湯築城跡保存運動の展開
84
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99

1989.8.30
朝日新聞愛媛版、道後湯築城遺構発掘を大きく報道.以下各紙報道。

1989.9.8
川岡勉ら愛媛大学の研究者、「道後湯築城を考える会」(以下「考える会」と略称)結成。

1989.9.23
「考える会」主催=‘道後湯築城を考える市民の集い’開催,(於県民文化会館)
約170人参加。テレビ報道、翌日新聞各紙報道。

講演
川岡勉「河野氏の盛衰と道後湯築城」
本田昇「中世城郭の研究と保存」

パネル討論
保存運動の必要性が確認され、そのための市民レベルの団体結成を確認。会終了後有志約30人がロビーに集まり、会結成の準備委員(運営委員)となる。

1989.9.30
「道後湯築城跡を守る県民の会」(以下「守る会」と略称)結成。(於市民会館)
参加者全員が運営委員となり、会の世話人6人を選出(川岡勉・森光晴・島津豊幸・二宮晃史・鈴木成高・古谷直康)。
湯築城跡保存の緊急アピール発表を決め、その内容審議。県議会にむけての請願署名運動をおこすことも確認。
翌日各紙報道

1989.10.2
「守る会」世話人、道後湯築城跡の保存を求める緊急アピールを県当局に提出。

1989.10.9
知事・教育長は“多忙”として会わず。
壷内生涯教育課長が応対、「文書による保存も立派な遺跡保存」と述べる。テレビ報道、翌日新聞各紙報道。

内容

  1. 遺構を保存し、これを生かした史跡公園をつくること。
  2. 遺跡破壊の工事を中止し、専門家による調査を。
  3. 遺構の公開、早く現地説明会を開け。

1989.10.13
県埋蔵文化財調査センター、現地説明会開催。
約500人参加、配布資科不足で係員おおあわて。遺跡保存を望む声つよし。

1989.10.24〜11.4
愛媛新聞、一面肩に「蘇れ、湯築城」(毎号30行・7段程度)、と題する特集記事を11回にわたり掲載。

1989.l0.29
第1回街頭署名。大街道・市駅前の2箇所で実施。テレビ報道、翌日新聞各紙報道(愛媛新聞は4段見出し115行)。

1989.11.10
第2回街頭署名、PM5;30〜6;30。於大街道口「守る会」運営委員会 PM6;30一〈於東雲学園)第1回署名集約。
「考える会」発案の湯築城保存の基本方針10箇条を確認
公開シンポジウム開催について。

【道後湯築城保存の基本方針10ケ条】

  1. 湯築城跡の歴史的遺産を守り、育み、後世に継承する。
  2. 湯築城跡を道後地域の歴史的風土の中心に
  3. 位置づけ、道後地域の歴史的環境の保全を図る。
  4. 湯築城跡の県史跡指定を速やかに実現し、引き続き国史跡指定を図る。
  5. 発掘調査により出土した旧動物園跡の遺構は全面保存とする。
  6. 道後公園全体を史跡公園として整備するために、組織的な学術調査を実施する。
  7. 整備計画と調査状況を広く公開し、史跡公園化にあたっては専門家及び県民の声を十分反映させる。
  8. 学術調査と並行させながら、観光客や市民の憩いの場として公国の開放を進める。
  9. 史跡公園は、湯築城跡の歴史的遺産を保全しながら、遺跡の特徴と歴史的価値がわかりやすいように配慮して整備を図る。
  10. 近接地に研究所・博物館を設置して、湯築城を中心とする調査研究を行う。
  11. 史跡公園として利用・活用を高める施設(駐車場・広場・園路・研究路・散策路等)を整備する。

1989.11.19
第3回街頭署名、道後今市
の住宅地を手分けして各戸訪問にて署名。

1989.11.23
第4回街頭署名、大街道口にて実施。世話人(川岡・古谷・島津)道後温泉旅館組合理事長、道後温泉又新会代表と会う。

1989.11.26
第5回街頭署名、大街道口にて実施。

1989.l2.5
「守る会」、県議会に請願署名(19,627人)を提出、(紹介議員は社・公・共の5人)。
テレビ各社報道.翌日新聞各紙報道。

1989.12.13
県議会、文教委員会。
大前(公)福田(社〉議員の質問に、理事者側は専門家による調査(狩野久文化庁文化財主任調査官ら6人)実施を答弁。
同建設委員会。中川(共)議員、湯築城跡の全面学術調査迫る、理事者側は明確な答弁を避ける。
「守る会」提出の請願署名は継続審議となる。
道後湯築城跡専門家の調査に要する費用130万円を含む12月補正予算案を議決。

1989.12.17
公開シンポジウム「道後湯築城を考える」開催 於子規記念博物館講堂 約260名参加。

講演
「道後湯築城と中世城郭史」村田修三(奈良女子大学教授)
「発掘された中世の町」松下正司(草戸千軒町遺跡調査研究所長)

パネル討論
パネラー 上記の村田・松下のほか、川岡勉・島津豊幸・鈴木成高

テレビ報道、翌日新聞各紙報道

1989.12.19
県、県教育委員会、専門家による湯築城学術調査実施。非公開とする。

参加の専門家

  • 大阪文化財センター 坪井清足  理事長(考古字)
  • 朝倉氏遺跡資科館 藤原武二 館長
  • 広島大学教授  鈴木充(建築学)
  • 愛媛大学教授 下条信行(考古学)

調査依頼を断った専門家2人

  • 文化庁文化財主任調査官狩野久「国の行政にかかわる者として、立場上今回の調査には参加できない。県が方針を出せば、それをフォローしていくのが私の仕事である。」(愛媛新聞)
  • 奈良国立文化財研究所田中塚埋蔵文化財センター長「もともと公園にする計画だし、県有地でもある。いまさら専門家の調査でもあるまい。保存の方向へ持っていくにしても、もっと上手なやり方がある。」(愛媛新聞)

inserted by FC2 system