「道後湯築城跡を守る県民の会」 Update (9/20)

 現在の日本では、全国どこへ行っても同じような雑然とした町並が多くみられます。 

   いま、個性的な地域づくりをはかるためにはどうすればよいか、市民と行政が互いに英知を出し合い、プランを練り上げていく必要があります。 その際、それ ぞれの環境や歴史と結びついて生み出された文化遺産を地域づくりの核にしようという機運が全国的に巻き起こっています。

   考古学ブームの中で古代のロマンを求める人々を引き付ける佐賀県の吉野ケ里遺跡、掘り出された戦国時代の城下町を整備・復元して有名になった福井県一乗谷 の朝倉氏遺跡をはじめ、町づくりや観光地として成功したケースは少なくありません。

   文化財は、「貴重な国民的財産」であり、「わが国の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり」、「将来の文化の向上発展の基礎をなす もの」です(文化財保護法)。
  これからの地域文化を生み育てていく拠点として、全国にも誇れる魅力的な観光地として、湯築城跡を本格的な史跡公園として整備していくことが望まれま す。  


   私たちは、1989年に「道後湯築城跡を守る県民の会」(略称:守る会)を結成して以来、湯築城跡の遺跡を保存し活用する運動を続けてきまし た。自分たちの住む地域の将来構想を行政に任せきりにするのではなく、市民自身が公園づくり・町づくりに積極的に発言していこうと考えたからです。
  伊予の歴史を学習し河野氏の歩みを調べる中で、湯築城跡のもつ歴史的な重要性は一層はっきりしてきました。それは、継続中の発掘調査においても、ます ます裏づけられつつあります。運動の高まりによって、愛媛県の公園整備プランも大きな修正がなされることになったのです。

    私たちの会は、湯築城跡のもつ歴史的価値を十分に解明し、それを積極的にアピールする方向で公園整備を進めるべきだと考えていま す。そのために必要なことは、まず遺跡の全面調査と国史跡の指定をうけることでした。その上で、文化庁の指導も受けながらしっかりと基本構想を立てて調査 に取り組むべきでしょう。専門調査員のいる研究所や資料館の設立も不可欠です。同時に、私たちは公園を広く市民や観光客の憩いの場として開放するため、で きるところから整備を急ぐよう主張して来ました。湯築城跡は国史跡の公園として多くの人々に親しまれている松山城や宇和島城に比べても、決して劣らない公 園になるはずです。


戦国織豊期の城と城下町シンポジューム

   運動の甲斐あって旧動物園跡は遺構に基づいた整備が終わり、 2002年4月12日に再開演致しました。更に、9月20日に湯築城跡を国史跡として指定する旨が官報告示されました。私どもの目標の第一段階はこれで達 成されたと言えるでしょう。しかしながら調査整備が終わったのは全体の三分の一に過ぎません。未調査区域の全面調査計画の策定や研究機関の設立などは、未 だ目途が立っておりません。これらの実現と湯築城跡を風格あるまち造りにどのように活かしていくか、これが私どもの今後の活動の中心になって参ります。

   私たちの会では、以上の趣旨に賛同される方に、1人でも多く会員になっていただきたいと考えています。年会費(個人会員は一口1500円を一 口以上、法人・業者会員は一口3000円を一口以上)納付することで、どなたでも入会できます。 事務局あてに電話またはメールをお送り下さい。
   また、会では運動の理解を深めるために、各種の出版物も刊行しています。


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