「守る会」主催歴史講座第5回
  並びに2002年度総会開催

 2002年5月26日、堀之内の愛媛県立美術館講堂において、守る会主催の第5回中世歴史講座が開かれ、約100名の参加者を数えました。
(なお、今回の講座の要旨は次号以降に紹介予定です。)
 次いで総会が開かれ、前年度の活動経過報告・会計報告のあと、今年度の道後湯築城跡を守る県民の会活動方針案が提示され、意見交換が行われました。
 提示された活動方針案は、以下の通りです。

 1.「守る会」の名称は今年度限りとし、今後のあり方は1年かけて検討する
 2.歴史講座を最後までやり遂げる
 3.これまでの運動の成果をまとめた書物を作成する
 4.道後公園のうち動物園跡地以外の区域に関する調査計画の策定や、研究施設の設置、資料館の充実などを県に対して働きかける

 川岡代表が、活動方針案の説明を行いました。

 まず、第1条について、「守るということは実現できた。遺跡の破壊をくい止めることができたのは10年あまりの運動の大きな成果。私たちの会も区切りにさしかかってきている。守る会の名称は今のままではいけないということで、今年度限りとしたい」とし、また運営委員会における議論について、「今後のことについて、運営委員会では解散・存続の二つの意見があり、充分な結論がでなかった。解散論は、当初の目的を達成したという見方。また市民運動の維持は難しく、10年以上になるといささかくたびれてくる。みんな年も取る。新しい会員も加わってはいるが運営委員も会の活動を支えるだけの機能が鈍くなっている。この総会自体も参加者が非常に少ないということは、今での会の活動でうまくいったという人が多いからではないか。成功したということで一応、ここで幕を引くいたほうがいい。一方の存続論は、守る会という名前は終わりにするが、一年後に新しい形で再出発する。その際には従来の会員に対して、新しい会に引き続いて参加していただくように働きかけるなどて、発展的に解消していこうという案。どちらがいいか運委で話し合ったが結論が充分でなかった。ここに参加されているみなさんからも意見をいただいて、今後を考えたい。提案として、1年かけて、来年の四月か五月にこの会を解散するか、発展的な形にもっていくか考えていこうというのがこの方針案です。」

 また、第2条については、「歴史講座は大変盛況で、120名とか100名とか、当初私たちが考えた以上に参加者が多かった。湯築城に対する関心の高まりを感じている。残り5回もきちんとやりとげたい。」

 続いて第3条については「運動の歩みや調査研究の歩みを、シンポジウムで話して終わりにするのではなくて、是非成果として書物にまとめようと。来年に出版できる方向で考えたい。」

 最後に第4条について「動物園跡地以外についても調査をさらに進めるべき。研究施設・資料館もまだまだであって、引き続いて県に働きかけていきたい。」

 以上の説明のあと、参加者や運営委員から様々な意見が出されました。
 今回の総会参加者は違例ともいうべき少なさで、そのためか存続論が大半を占め、第1条をめぐる議論にかなりの時間が費やされました。
 存続の意見としては、
 ○まだ整備や発掘調査が十分ではない。
  ○住民参加の運動をここで終わらせるべきで  はない。
  ○ガイドのバックアップの必要性。
  などがあげられました。守る会に残されている課題が多いという認識が強く、会の存続の必要性が強調されました。
 一方、反対意見としては、
 ○今の運営委員の状態では本格的な活動ができない。会の存続も難しい。
 ○講座は開催したが、もっと広く湯築城の価値や魅力を知ってもらうための組織作りや運営の努力がみられない。
  という、現実的で厳しい意見も出されました。
  活動方針案は、前向きな方向で検討するということで一応の承認を得ましたが、今後一年間かけて、運動のあり方を熟慮するという課題が残されました。公園が開園し、資料館やボランティアガイドの活動も展開される中で、この守る会がどのような役割を担い、活動していくのか、会員内外からのご意見も待ちしています。
 

 新年度運営委員選任される

 続いて、今年度の新運営委員の選任が行われました。今年度運営委員は左の通り(五十音順)。

   運営委員:川岡 勉・島津豊幸・高井敏夫・土居敬之介・寺川 仁・中道 茂・林 幸子 

 今回、湯築城跡のボランティアガイドをされている高井さんが、土居代表委員の推薦により運営委員参加を承諾されました。
  まだまだ運営委員が必要です。湯築城を宝の持ち腐れにしないために、また地域おこしのために一緒に考えてみませんか?



 
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