地元の人が知らない湯築城

 昨年のシンポジウムに城郭フォーラムの方が出席して下さいましたが、そのうちのお一人が宿泊した宿で湯築城を尋ねたところ、フロントにいた従業員が一人も知らなかったそうです。その中の一人は、石手寺の方ではないかと答えたとのことでした。
 その後、やはり城郭フォーラムの方がプリンスホテルに泊り、翌朝ホテルの送迎バスに道後公園まで乗せて貰ったのですが、運転手にこの公園が湯築城跡ですねと尋ねたところ、さあ、どうでしょうかとの返事だったそうです。
 私は以前から地元の人間でも湯築城を知らない人が沢山いることを指摘して来ましたが、2人の来訪者の体験で完全に実証されてしまいました。湯築城跡を保存し活用するには、地元の人の支持を欠いてはなりません。この状況では我々の運動は未だしと言わざるをえ
ません。
 知事が変わり、県の姿勢にも変化の兆しが見える今、あらためて足元を見直し、地元の人の理解を得ることを目指さねばなりません。
 

シンポジウム開催のPRに際して地元の応援

 昨年のシンポジウム開催に当り、そのPRに地元の方々から頂戴したご支援を紹介します。
 シンポジウム開催のチラシは会員には郵送しますが、これを一般市民の目に入る方法はないだろうかと考えていて、ふと思い立ち、近くのコンビニに走ってコピーを取って来ました。それを持って近くの郵便局、煙草屋さん、散髪屋さんに行き、そのチラシを置いて貰えるようお願いしたところ、皆さん快く引き受けて下さいました。開催日間際のことでしたので効果があったかどうかは判りませんが、大勢の方々の目に触れることが第一歩だと思います。
 このような地道な努力を続け、多数の方に知って貰うことが、理解を得るための王道でしょう。大勢の市民・県民を繋いで、大きな輪に成長させることが運動を成功させる由縁だと信じます。
 前回ご支援を賜った皆様に誌面を借りて、心から御礼申し上げます。

 なお、会報ゆづきのこの号に、3人のうちのお一人から寄稿して頂きました。お知らせすると同時に、厚く御礼申し上げます。
 

道後公園の案内板の前で観光客との会話

 道後公園の案内板の所で観光客に、鼠小僧の墓を尋ねられました。聞いたことがないと答え、それから暫くの間おしゃべりをしていました。話が公園の由来に行きましたので、ここは伊予の豪族河野氏の居城だったと言いますと、「それなら表示がある筈だ。どこにあるのか。」と追求されてしまいました。そんな遺跡なら当然表示されている筈なのに、どこにも無いから疑わしいと言わんばかりの様子でした。
 表示は登り口の石垣にある。貴重な遺跡だからあの通り発掘調査をしているのだと言いますと、やっと納得したようでした。
 どこの県でも、それがちょっとした遺跡であっても、でかでかと表示しています。それが普通の感覚です。愛媛県の誇るべき遺跡に「湯築城跡」と言う公式の表示がないのは、何とも解せません。公園前と言う停留所名にも、括弧付きでも構いませんから「湯築城跡」と入れて欲しいところです。

道後湯築城跡を守る県民の会
    運営委員   土居 敬之介
 

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