道後公園整備計画地元説明会報告
 
道後公園基本設計の概要 地元説明会資料 (愛媛県松山地方局建設部)
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日時:平成11年3月2日 19:00〜
場所:道後公民館
主催者側出席者:愛媛県松山地方局建設部
       建設第二課長 坂本氏、 係長 森氏、 玉井氏
     土木部 都市局
       都市整備課長 一ノ宮氏、 技術課長補佐 別府氏、 係長 杉浦氏、 他
 

1. 整備計画説明 (坂本課長)
        
 最初に坂本課長から「道後公園基本設計」の概要について、資料に基づいて説明があった。細部は別途掲載の資料を参照して戴きたい。

 坂本課長は、今回の計画は、文化財に影響を及ぼさないことを前提とし策定された旨を強調。計画では全体を4つの区域に分け、旧動物園区域を歴史のエリアとして、その西側区域は立体復原、東側区域は平面表示とする。

 西側区域は、16世紀半ばと推定される2段階の遺構に基づいて、武家屋敷を2棟設けると共に、土塀、門等を立体復原し、土塁、内堀、道路、排水溝などを復原する。

 西側区域の一番西端に管理棟を建てる。管理棟の一部は展示室とする。この建物は遺構に影響のないものとするため、平屋とする。

 東側区域は、1湯築城廃城直前と推定される6世紀後半の4段階の遺構に基づき、建物の平面表示や、道路、排水溝を復原し、池の復原を中心とした中世風庭園を復原し、休憩所、四阿などを設ける。

 その他の「文化のエリア」、「地域の広場エリア」、「緑と水のエリア」は、基本的には現状のままとし、老朽化した施設の補修と若干の整備程度にとどめる。

 最後に、古い写真等の資料を出来るだけ提供して欲しいとの要望があった。

2. 今後の進め方

 道後公園の整備は、 基本構想 − 基本設計 − 実施設計 − 整備 という順に進む。 今は2つ目の基本設計が承認された段階で、次は実施設計に入る。

3. 質疑応答で明らかにされた事項

 基本設計策定後に明らかになった、搦め手門の昔の姿等の新たな成果は、実施設計の段階で織り込む。

 将来搦め手門を復原する場合でも、管理棟が邪魔になることはない。

 将来的には文化財を生かした整備をすべきだが、そのためには調査が前提になる。

 便所の移設、新設の際、排水管で遺構を破壊することの無いように敷設する。

 歴史のエリアは貴重な出土品などを展示するので、そこの通路は常時開放は出来ず、夜間等は閉めることになる。通路の通り抜けが有料か無料かは、まだ判らない。実施設計の段階で明確になる。

 武家屋敷の一つは内部まで復原する。もう一つは外枠だけの復原となる。武家屋敷も展示場の役割を果たす。

 公園内の梅や桜の整備、展望台の周りの木が大きくなり、見晴らしが悪い点の改善、堀の水質改善、等の要望が出た。これに対し、公園整備は文化庁の指導により、中世の状態が基本になる。そのため大きな木を植えることが出来ない。木を植える場合には根が遺構を破壊しないよう、根鉢の底にシートを敷かねばならず、また、昔はソメイヨシノは無かったので、植え替えるとなると山桜のようなものになると思われる。展望台周辺の木については、伐採しないでも剪定すれば展望は相当程度改善されると思う。堀のヘドロを浚渫すると、堀が深くなるので却って水の流れを阻害する恐れがあり、対策に苦慮している。

以上

道後湯築城跡を守る県民の会  運営委員 土居 敬之介
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