文化財フォーラム愛媛の理念と目的

歴史的・文化的環境を守り活かして地域おこし
文化財フォーラム愛媛 

 文化財フォーラム 愛媛は、「歴史的・文化的環境を守り発展させて、風格のある地域づくりを進めよう」を目指して、平成元年から「道後湯築 城跡を守る県民の会」の名で活動を続けて参りました。会設立の切っ掛けは、一級遺跡である湯築城跡が破壊される危機に直面したことにあ り、当初の活動は湯築城跡を守り、国史跡の指定をかち取ることに全力を集中して参りました。しかし我々の願いは単に守るだけでなく、それを活かして地域づ くりに貢献することでありました。その第一段階である保存そして国史跡の指定は、平成14年に漸く実現する運びとなりました。ここに到るまで会結成以来 13年、余りにも長すぎた感はありますが、ともかく第一段階を達成し、次の段階に踏み出す時期に参りました。

 この時期を迎え、 会の基本理念を踏まえつつ、今後の活動を展開するのに相応しい名称として、「文化財フォーラム愛媛」と改称することに致しました。各地域それぞれの環境や 歴史と結びついて生み出された文化遺産を核として、個性的な地域おこしを図るためには、市民と行政が互いに英知を出し合って、プランを練り上げて行かねば なりません。

 各地に現存する文 化財は貴重な国民的財産であり、わが国の歴史や文化等の正しい理解のために欠くことのできないものであり、将来の文化向上発展の基礎をなすものです。

 愛媛にも多数の遺 跡・史跡・その他の文化財が存在します。松山だけを見ても、弥生時代の文京遺跡、卑弥呼の時代の国の一つであった可能性のある樽味四反地遺跡、古代の久米 官衙遺跡群、中世の湯築城跡、近世の松山城等々、貴重なものが多数現存します。県内を広く見渡せば、海城・山城あり、神社仏閣あり、町家・町並みあり、更 に無形文化財にまで目を転じれば、それこそ数え切れないほどの文化財が存在します。

 これら文化財の持 つ歴史的価値を十分に解明すると共に、これらを活かすことを市民自身が考え、発言し、自分達が住む地域の将来構想構築を推進する原動力として行動するなら ば、全国に誇れる地域造りも可能です。また、これら文化財は一級の観光資源でもあります。各地に存在する文化財を有機的に結びつけて積極的に紹介して行け ば、魅力的な観光地とすることも夢ではありません。

 私どもの会は湯築 城跡未調査区域の調査計画策定推進、中世伊豫の研究機関設立推進等の在来活動を継続すると共に、湯築城跡に留まらず各地に残る文化財の魅力を発信するこ とで、地域文化の興隆に寄与して参ります。そのため会では「会報ゆづき」に加えて、県内各地の歴史や文化財を紹介する冊子を発行致します。その新冊子は、 県全体を「愛媛丸ごと博物館」と看做してそれを構成する各地域、即ち各文化圏の理解を深めるため、それぞれの歴史や文化財の紹介を始め、関係する論文の紹 介を行います。つまり、この新冊子は各文化圏の歴史・文化財散策ガイドを目指します。

以上の如く活動内容をより充実させるよう進めておりますが、これは第一歩に過ぎず、講演 会の開催や行事の企画など、交流人口の増大を目指して更なる発展を図って参ります。

 以上の趣旨に賛同 して頂ける方に、一人でも多く会員になって頂きたいと願っております。

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(2004/03/03初版)
(2006/05/11改定)

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